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【ROXX Creative Studio】 ミッションは、社内外問わず気持ちを動かすこと

ROXXでは1月にROXX Creative Studioが立ち上がりました。
今回はROXX Creative Studio Managerの竹下さんにデザイナーの仕事やチームについて話を聞きました。

■プロフィール
竹下大樹(Hiroki Takeshita)
ROXX Creative Studio Manager
2021年3月〜9月まで業務委託、2021年10月にROXXへ正社員として入社。
趣味は音楽とサイクリング

ROXXは、良い意味で何も決まっておらず、一からチームを立ち上げるカオスな状況であった

— 早稲田大学法学部からデザイナーとは異色のキャリアだと思うのですが、デザイナーになった背景を教えてください。

そもそも早稲田大学の法学部に入学したのは北海道を出て東京に行きたかったからです。高校までは、北海道で育ち道内の進学校に通っていました。田舎あるあるかもしれないので、伝わるか否かはわかりませんが、進路指導時に「生徒は全員、地元の北海道大学に進学してほしい。それ以外は認めない。」ような雰囲気を感じていました。

とにかく、私は北海道を出て東京に行きたかっただけなのです。そこで、東京に出ることができ、なおかつ親から学費の援助を受けるためにはどうすればいいのかを考えた結果が東京にある名前の通っている大学に入学することでした。なので、名前の通っている大学に受かるために必死で勉強しました。

元々、絵を描くことが好きでこういうのを仕事にできればいいかなと大学時代から漠然と思っていました。人生で1度だけ、銀行に就職した先輩にOB訪問に行ったことがあり、その先輩に「やりたいことがあるならそっちをやればいいじゃん。」とアドバイスをいただきました。就職氷河期だったこともあり、私は就職という形ではなくフリーランスのデザイナー・イラストレーターとして活動を始めることにしました。始めた当初は「まあ、これで一年ぐらいはなんとかなる。」くらいの軽いスタートでした。

当時は、デザイナーやイラストレーターのニーズが今のように多くあったわけではなく、自分から「イラストレーターやっています!デザイナーやっています!」と言うしかなかった時代です。イラストレーターとしての実績もまだなかったため、フォトストックサービスで描いたイラストを販売していました。1万円で売った絵が100万円ほどの案件規模のものに使用されていたり、30〜40枚イラストを描いても半分しか売れないこともあり、これを仕事にするのは苦痛だなと思うようになりました。

イラストレーターとして活動するのと並行して、友人同士で設立した制作会社でデザインの制作を請け負う仕事などもこなしていました。請負だけではなく、自分たちでオリジナルのTシャツを制作し販売したりもしました。当たり前ですが、自分たちが欲しいオリジナルのTシャツを制作して販売するだけで世の中のニーズに応えることはせず、何が売れるかなどマーケティングを意識して制作していなかったので、まず売れなかったです。

結局、デザイナーと名乗れるようになったのは20代の終わりにベンチャー企業に就職してからです。そこからイラストレーターではなくデザイナーとしてのキャリアがスタートしました。

— デザイン会社や他の事業会社もある中で、なぜROXXのデザイナーになろうと思われたのですか。

今回、転職をするにあたって事業会社かデザイン会社か悩み、デザイン会社のカジュアル面談も受けました。また、副業で受託のデザイン設計をすることもありましたが、受託でのデザイン設計に面白みを感じることができませんでした。そこで事業会社に行くことを決め、ROXXに業務委託としてジョインしました。

ジョインした当時、ROXXか他社かで悩んでおり、ROXXの内定を断って他社に行こうかなと考えていました。しかし、業務委託としてROXXの仕事をやっているうちにROXXでクリエイティブの仕組みをつくる仕事の方が面白みを感じるかもしれないという誘惑もあったことに加え、今のカオスな状況を乗り越えるROXXの仕事はより自分に向いていて楽しいかもしれないと思うようになってきました。

また、ROXXに決めた理由として、面接の時から代表の中嶋さんと相性が良かったというのも大きかったです。面接で中嶋さんからプロダクトの話だけではなく、会社全体の一貫したデザイン組織を作っていきたいとの思いも聞いていました。

ROXXは良い意味で何も整っておらず、クリエイティブのルールも決まっていませんでした。デザインの仕組みを一から定めていく方が楽しいかもしれないと感じ、ROXXに正社員として入社することを決めました。

デザインのミッションは、社内外問わず対象者の気持ちを動かすこと

— ここからデザインについてお伺いしたいのですが、竹下さんが思うデザインで解決できるものとはどういうものだと思いますか。

深めの話でいうと、デザインとは?みたいな所からになり長い話になるので、もう少し浅いところから話すと「印象を変える事」だと思います。

例えば、「カッコいいイメージを持ってもらいたい」という要望に対して、「カッコいいイメージとは何か?」という問いから始めて、コンセプトを明確にします。その上で、どういう工程でそのコンセプトを実現するかというのを考えて実行するプロセスがデザインです。

営業資料を一つ作るにしても、最終目的は「このサービスが魅力的だから使ってみたい。」と思ってもらうことですよね。そこに行き着くまでの道のりを分解すると、サービスの内容が「わかる」「わからない」の分岐点があり、「わからない」なら「わかる」という状態にしないといけない。さらに、「わかる」の中でも「わかりにくい」より「わかりやすい」方がいい。「わかりやすい」上で、「魅力的」に見えることを目指す。そのためのステップごとにデザインが必要です。

ブランディングという観点からすると、実は社員も対象になります。例えば会社のミッションの浸透。「ミッションがわからない」というところから会社のミッションは魅力的だと思ってもらうために何をするかをデザインしていく。言ってしまうと、社外にいるカスタマーでも社内にいる社員でも「対象者の気持ちを動かす」というのがデザインのミッションです。

デザイナーと言うと見た目を綺麗にすることに特化しているイメージを持たれがちなのですが、それだけではなく、コンセプチュアルなところから、物事を「どう分解して、どのぐらい細かくするのか?」や「どういうステップを踏んでいくのか?」など、そういう「プロセスそのものを構築する事がデザイン」だと思います。

こう話すと「デザインって難しい」と思われるかもしれないですが、営業は営業なりに開発は開発なりにみんなデザインをしています。なんとなく雰囲気でみんながやっていることを言語化し、見える状態にして共有可能な形にしていくのがデザイナーの仕事です。

課題解決のプロ組織へ

— 1月にROXX Creative Studioが立ち上がりましたがどのようなチームにしていきたいですか。

ROXX Creative Studioは1月から立ち上がったのですが、何のデザインをしていくのかみたいな話に関してはまだまだこれからです。

手前の話と先の話があると思いますが、手前の話をすると、これまでの体制のなかで、とあるメンバーはプロダクトのエンジニアチームに混じって一人でデザインを担当していました。このように一人だけでそのプロダクトと向き合うっていうのも少ししんどいのではないのかと思っており、担当といいますかデザインの責任は負ってもらいつつも、チーム内で他のデザイナーからもフィードバックや協力を得られる体制にしていくべきと考えています。

先の話でいうと、社内で課題が浮かんだ時に、「あのチームは課題解決のプロだから、まず相談をしてみよう」みたいなのが理想です。まだチームができたばかりなので社内で認知をさせるというところからスタートになります。「やってくれる。」⇨「頼りになる。」⇨「是非、行こう。」のようなプロセスを、現在、絶賛作成中です。

また、「コーポレートのブランディングをどのように打ち出していくか。」についても考える必要があるフェーズにROXXは来ています。すぐにはできないにしても、横断的なチーム体制、クリエイティブの仕組みを作らないといけません。これは一人で進めていくようなことでもないと思っており、メンバーと協力し一緒にROXXに一番適したかたちで、できる限りフラットに進めていかないとできないだろうとも思っています。

そして、デザイナーが正しく評価されるチームにしたいです。特に不遇であるとか、現在もそのような状況ではないのですが、良い意味でも悪い意味でも、一部分の制作を社内から多くいただきます。一方で、社内業務委託のような立ち位置であることが少なからずシーンとして存在することもあり、より戦略や企画・設計段階から、デザイナーが入り込むことがまだできていない状況です。もちろん、それはプロとして信頼されているからこそ、小さな依頼でも社内から多くいただくことが起こるのですが、実はデザイナーがやっていることは本当はもっと幅広いと理解しています。

依頼された仕事に対して、まず社内外問わず調べます。そこから今回の依頼においては、どのようにアウトプットするのが選択肢として適切なのか、また過去に実施したものと分析、比較検討などして、本当にこれがベストなデザインの選択なのかを思考するなど、見えないところで多くの仕事をやっています。そして出てくる答えというのは、氷山の一角です。そこをみんなに知ってほしいというよりは、この部分を価値のあることだとして、チーム内外問わず共通認識として、デザインを正しく評価できるようにしたいです。

これはピカソの逸話として有名なのですが「数十秒で描いた絵でもすごい価値が出るのは、何十年もの修練の結果があるからなのだ」と。
(参考:elitedaily )

デザイナーが30分でできる事も、10年や20年かけて培ったノウハウがあるからこそできるというところだったり、その裏側で考えた結果だったりします。そういうのも正しく評価していきたい。これはその裏付けを多少でも知っている人がやった方が良いはずだと思っています。

最初の「何で法学部からデザイナー?」というところに戻るのですが最終的に私の思考がデザイナーに向いていたのです。理屈っぽいところが、うまく噛み合った結果かもしれません。

イラストレーターから始まった私のキャリアですが、振り返ってみるとデザイナーになってよかったと思っています。絵を描くことは好きでしたが、イラストレーターとして絵を描くことは苦痛でした。デザイナーとしてキャリアを歩んでいる今がすごく楽しいです。仕事ですがデザインをするということにどれだけの時間をかけても良いくらい楽しい仕事です。

— 竹下さんありがとうございました。

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