ROXXの創業ストーリーと山田流「仕事の流儀」
1月22日でback checkを正式リリースしてから2周年となりました。
正式リリースからこれまでに、累計リファレンス実施人数は約1.3万人、累計リファレンス回答者数(推薦者数)は約3万人にのぼり、利用継続率98%で成長を続けています。
今回は取締役COO兼back check事業責任者の山田さんにROXXの創業からback check誕生、現在に至るまでの話をインタビューしました!
ー まず、ROXX創設のところから聞かせてください。代表の中嶋さんと会社を立ち上げるようとなるまでのストーリーやきっかけ、大学生だった2人が起業しようとなった背景を教えてください。
端的に言えば私が中嶋に誘われたという話になります。中嶋は大学で「ベンチャー企業論」という起業家の方々が講師をしてくれる授業を受けて、会社をやろうと考えたと聞いています。
私と彼とは大学の学部が一緒で同じ授業を受けていて、授業が始まる前に中嶋から「今度会社作るのだけど、就活しないのであれば一緒に会社をやって欲しい。」と誘われたので「いいよ。」と言ったのがスタートです。事業内容については後日説明を受けて「いいんじゃない」っていう様な感じでした。
ー 実際、当時は就活についてはどう考えていましたか。
誘われたのが大学3年生の5月でしたが、就活はできるならやりたくはなかったので、やらない方法があるのであればそっちをとりたいなとは思っていました。
就活について深く考えてはいなかったのですが、自分一人で会社を作るっていう選択肢は私の中ではなかったので、タイミングよく誘われたなと思った感じですね。
ー 起業してから実際にプロダクトができるまでどれくらいの時間がかかりましたか。
起業当初は、新卒向け人材系サービスのプロダクトをやろうと考えていました。出資金を使い開発を外注したのですが、サービスが完成しなかったのが最初の半年間でした。できると思い込んでいたサービスが完成しなかったというところからスタートしています。
サービスが完成しないのであれば、まずは自分たちでやろう!となり、新卒領域の人材紹介事業に移行し約2年間自分たちで人材紹介業をやっていました。2年やって一応会社として成り立ってきたタイミングで、資金調達やプロダクト作りが始まったというような感じです。
ー 起業してから3年後に“SCOUTER”でプロダクトスタートになりますが山田さんはCOOとしてどのような業務をメインで担当されていましたか。
職種単位で分けると言うよりも攻めの中嶋、守りの山田みたいな形でした。
例えばお客様を獲得することは中嶋、お客様になってからサポートするのは山田みたいな形でお互いの得意な業務にフォーカスしていた様な形です。そういった意味で言うと、カスタマーサクセスの立ち上げ等や新入社員の入社後のオンボーディングからマネジメントみたいなところもやっていました。
あとは社内で管理サイドをできるのが私しかおらず、いわゆる経理・労務・法務・総務あたりを基本的に全部担当していました。
資金調達に関してはずっと2人でやっており、プレゼンやピッチをするみたいなことは中嶋、話が進んだ後のデューデリジェンス対応や事業計画の作成などは私が行う感じです。
ー 守り中心にほとんどやられていたとのことですが、リファレンスチェックを事業としてやってみようと思ったきっかけを教えてください。
端的にいうと、強烈に自分たちが欲しいプロダクトだったからです。Zキャリア プラットフォーム事業(旧SARDINE)が伸び、組織拡大をしなければいけないと言う中で、採用のミスマッチの大変さを、我が身をもって痛感しました。その解決策としてリファレンスチェックが欲しかったという強烈な思いがあります。
やはり私たちとしては連続的にプロダクトを創る会社になりたい。今のミッションの「時代の転換点を創る」と言うのは、1つのプロダクトでずっとやりたいわけではなく、あらゆる世界・あらゆる領域においてその時代の転換点を創るために必要なプロダクトを創るのが経営方針としてのスタンスです。
どこかのタイミングで必ず2つ目のプロダクトを創らないといけないのは私たちとしても自明でした。Zキャリア プラットフォーム事業が落ち着き始めたタイミングで、継続的に挑戦するべきだろうと言うことでback check事業を始めました。
ー 強烈にリファレンスチェックが欲しかったということですが、背景を教えてください。
20〜40人規模だったときのROXXの採用の話ですが、書類選考や面接のみで採用をしていました。書類上でわかる肩書きや面接での評価をみる限りとても凄い人だと私たちは思い採用したのですが活躍いただくことができず、半年程で弊社を退職となってしまった方が数名いました。
後に、その方々のお知り合いからROXXのカルチャーや仕事への向き合い方があっていなかったと話を伺い、選考の時点でこのようなことがわかっていれば採用のミスマッチが防げたのにという体験がありました。
ー そのような背景からプロダクトを立ち上げられ、実際に苦労したことはありますか。
事業立ち上げから私たちが想像していたよりも導入企業が多く決まり、上手くいき過ぎてしまったことが起因して、過度な成長計画を立ててしまいました。振り返ってみると高すぎる目標を立ててしまったことにより、事業を成長させるのに悪循環を生み出していたと思います。
あとは、やはり事業の成長スピードに組織の成長が追いつきませんでした。想像していたよりも事業が上手くいってしまったため、前のめりになりあらゆる順番を飛ばそうとしてしまいました。これは1人の経営者としての感覚や判断が、今振り返ると間違っていたと思います。SaaSビジネスはすごく時間のかかる事業なのにも関わらず、あまりにも短縮しようとやってしまった結果です。
また、当時ROXXに在籍していたメンバーをほぼ入れずに事業を立ち上げたということも難しくした要因の1つです。新しく採用した人たちによって新しい文化をゼロから作るみたいな組織作りで、今までのメンバーが築き上げてきたROXXとしての大事にしていくべきカルチャーをうまく醸成することができませんでした。
これは仕方ないかもしれませんが、事業をより伸ばそうと思っていたタイミングでコロナ禍になってしまったこともあり、今振り返ると意思決定などがうまくいかなかった思う部分もありました。
ー back checkが立ち上がってから順調だったとのことですがなぜそのように思われたのでしょうか。
今思い返してもティザーサイトのリリース後の手応えが極めて良く、有名な企業からの問い合わせやリード獲得、多数の受注が続きました。
それが凄いことだと錯覚してしまい、back checkの商品特性やサービス特性を無視して「このような有名な企業が使うのであれば他の会社も使うだろう」とミスリーディングをしてしまったのが、冷静に振り返るとすごく反省点になります。
ー その反省を元に、立て直されたと思うのですが注力されたポイントを教えてください。
1.継続的な成長を生み出すためのサイクルの定義
2.それを実現するための戦略は何か
3.組織の再構築
の3点になり、その中でも最も注力したのが「組織の再構築」です。
明らかにこの経営のフェーズというものがその組織を良くし、組織というものの変数が一番大きくなったなっていう様に感じたっていうのがきっかけではありました。今までは創業メンバー達が最前線に立ってこうしようああしようというように言っていることが、一番レバレッジ高く事業の成長や会社の成長に寄与していたなと思っていました。
しかし、社員が50人を超え今までのままでは上手いかなかったり、組織自体を活性化させたり、強くすることの方が事業成長にすごくいい影響を与えるということが、身に染みてわかる様になったっていうタイミングがちょうどその時だったかなと思いますね。
ー 事業成長に応じて山田さんの役割が変わってきたというところもあると思いますが、”back check”を立ち上げてから現在に至るまでの山田さんの役割を教えてください。
back checkを最初に立ち上げたのは中嶋で、当時はCOOとしてZキャリア プラットフォームにもback checkにも関与するという形でした。
0 → 1を中嶋がやり、プロダクトの原型ができたタイミングで私がback checkの事業責任者になりました。そこから、約1年で立ち上げを行った後に2ヶ月の育休取得で、一度back checkから離れ、育休後は人事責任者として約1年採用と組織改善みたいなことをやり、再度back checkの事業責任者に戻って今になります。
ー ROXXのCOO兼back check事業責任者を兼務されていますがリソース配分はどうされていますか。
比率で言うと2対8くらいで事業責任者の方が割合は多いです。COOとしての役割は会社全体の全体最適を考えるということに基本的には尽きます
ROXXは事業が2つあるため、それぞれの事業のメンバーは個別最適の考え方を持たざるを得ないもので、そこを全社最適で考えられるのは基本的には経営メンバーしか役割上難しいです。例えばリソースの配分や事業計画、経営戦略と直結する様な事業戦略のディスカッションは、Zキャリア プラットフォームであっても当然COOとして私も入ってやります。
また、資金調達の様なアクションについても当然関与しますし、全社最適、コーポレートアクションに関わる業務もCOOの役目だと私は思っています。
事業責任者としては、当然ながらback checkの事業計画の作成や戦略策定、商談同席、プロダクトのロードマップを考えたり、メンバー全員との1on1、採用業務もやっています。
ー 兼務することによって色々シナジーが生まれる部分もあれば、正直難しかったり、やりづらかったりする部分もあると思います。兼務する上で大変なことを教えてください。
全体最適と部分最適を同時に考えなければいけないということでしょうか。
経営と執行の分離を行う最大の理由もここにあると思っています。経営は会社の全体最適を行う仕事で、執行は管掌範囲の部分最適を行う仕事です。分けるのは1人の人間が同時に行うことが原則的に適していないからだと理解しています。ただ今の私はこれを同時にやらなければいけないのが最も難しいところであり、常に悩まなければいけない部分です。
back checkの事業責任者として、事業を伸ばすためにはどの様にすべきか、どうしたいなどニーズがたくさんあり、当然ながらお金もリソースもたくさん使いたいですが、それだけを追求してしまうと当然ながら、全体最適にはならないですよね。その中で、どのバランスが1番良いのかを本当は別々の人間が考えることによって最適解がより生まれやすいと考えています。
今はそれを2つの目線で考えなければいけないため、両視点でみることから、もちろんできることもあるわけですが、この両立はバランス感覚がすごく難しいなと思います。
ー 両方ともバランスを持って考えなければいけないみたいなところが非常に難しいところですね。では、山田さんが思う理想のCOO像、事業責任者像や目指している像はありますか。
最終的に目指していることは実は「一個もない」が答えで、常にその時のROXXにおける最適化された動きができる経営の人間であるというのが、私が考える私の中でのCOOのスタイルです。むしろそこで最適な動きが取れなかったり能力が足りなくなった時は、私はこの会社のCOOから外れるべきタイミングだなと思っています。
自分の中での理想と会社が求めるCOOの役割がすごく噛み合うことなどないのを前提として、ROXXは変わる組織であり、変わる会社であり、変わることによって進化しているのでそれを決め打ちしてフィットさせるのは、ROXXのCOOという役割ではやるべきではないと思っています。なので、常に会社にとって今一番COOとしてやるべきことはこれだよねというのが決まった時に、それができる人間であり続けられるか否か。これが大事かなと考えています。
一方で、私自身の興味のあることや個性を活かすことでROXXに対し貢献できることは何かという視点で考えると、新しいコンセプトや仕事の仕方、新しい組織のあり方みたいなものを会社で率先して形にし、成功事例を作ることによって組織の引き出しが増え、組織のキャパシティが大きくなるという流れをつくることだと思います。これは貢献性もそうですが、個人的にやりたいという気持ちも強いです。
当然、世の中に組織のコンセプトはたくさんありますが、組織におけるこれまでの主観や常識などがあり、それをいきなり理論的に持ってきたところでワークせず受け入れられない。
会社が大きくなったり事業が大きくなると、組織のあり方だったり組織の考え方を修正しなければいけないフェーズがきます。その時に適応できるような新しい組織の引き出しをROXX内で生み出していくことがROXXの未来に繋がる資産性の高いものだと思いますし、個人的にやりがいも強く感じる部分です。
組織ってこうしたら上手くいくよねというのは、自分の過去の成功事例で判断することが多く、そこに多様性を生み出すのは簡単なようで難しいことです。経営陣の過去の成功体験に縛られることで事業の成長に必要な組織の変化を生み出せないということを避けるにはどうすれば良いか。継続的に成長する企業となるためには重要なイシューだと考えています。
私たちには今フェーズの違う2つの事業があり、いろんなドメインでこれからやっていく可能性もあります。事業ごとにベストな組織やマネジメントのあり方があり、それを一つのやり方だけにこだわり続けてやるっていうのはリスクだと私は思うので、その引き出しがちゃんとROXXの社内にインストールされる状態が大切です。
「こういう時ってこういう風に組織をやっていけば上手くいくよね。」「こういう時はこういうパターンのほうがいいよね。」という事例を作っていくっていうのは個人的にすごく重要だと思っています。ROXXのミッションは「時代の転換点を創る」であり、時代の転換点を創るためには組織のあり方も変化し続けるべきだと考えています。ROXXという組織の必要な変化を最前線で創り出すことはROXXのCOOとしての一つのミッションだと考えています。
山田さん、ありがとうございました!
今回は、ROXXの創業ストーリーから現在に至るまでの山田さん流仕事の流儀についてお話しいただきましたが、私自身初めて知ることが多く改めてROXXについて知ることができました。
次回の経営陣インタビューは「back check事業責任者目線から、back checkを利用することで提供できる価値について」を予定しています。
ー 最後に
ROXXでは様々なポジションで一緒に働くメンバーを募集しています。
もしご興味がある方がいれば、カジュアル面談からでも構いませんのでご応募お待ちしております。